呼吸器系
呼吸器疾患は,循環器,消化器疾患と並ぶ3大疾患であり,厚生省全国患者推計(1999年10月)によれば,呼吸器疾患の患者数は89万人であり,総患者数の約1割を占めます.ガス交換臓器としての呼吸器系の構造的特徴から,外因性,内因性に生じる疾患の種類が多様であります.当院では慢性閉塞性肺疾患,気管支喘息,肺癌などの診断,治療にあたっています.また,気管支内視鏡による肺癌の診断には定評があります.
検査について
気管支鏡検査
気管支鏡検査の内容は,中枢部の気管支から末梢気管支に至るまでの詳細な肉眼的観察のみならず,ファイバースコープを挿入しての気管支内採痰,気管支擦過細胞診,気管支粘膜腫瘤の生検,気管支肺胞洗浄,X線テレビ下での末梢腫瘤陰影に対する経気管支生検,剥離細胞診,びまん性病変に対する経気管支的肺生検(TBLB),経気管支針吸引生検(TBAB),気管支造影など診断的用途は多岐にわたります.これらに加えて,肺膿瘍,過剰分泌などに対するbronchial toilet,気管支異物の摘出,血痰・喀血に対する止血剤の注入,抗癌剤,免疫賦活剤の局所注入,endoscopic surgery(高周波によるelectric surgery,レーザーを用いるlaser surgery,鉗子によるforceps surgeryなど)など治療的にも応用されています.臨床呼吸器病に対して必須の検査治療手段であります.
気管支鏡検査の風景